歯学部を目指すなら,文理選択の前に受験科目を確認しましょう
「歯学部を目指すなら,理系を選ばないといけない?」「数学Ⅲは必要?」「理科は何科目勉強すればよい?」。歯学部を考えていても,文理選択や科目選択で迷うことがあると思います。
歯学部受験では,志望大学や入試方式によって,数学の範囲や必要な理科の科目数が異なります。そのため,「歯学部だから理系」「数学Ⅲが不要だから文系」と,どちらか一つの条件だけで決めることはできません。
まずは受験に何が必要かを知り,学校では何を学べるのかと照らし合わせることが大切です。このページでは,歯科医師を目指して歯学科への進学を考える中学生・高校生と保護者の方に向けて,数学・理科の選択を中心に説明します。
数学Ⅲは必要?私立歯学部と国公立歯学部の違い
私立歯学部には,数学Ⅲを使わずに受験できる大学・入試方式があります。一方,国公立歯学部を目指す場合は,数学Ⅲまで学ぶ必要があるかを確認しておきたいところです。
例えば,大阪歯科大学と大阪大学歯学部では,次の違いがあります。
- 大阪歯科大学・一般選抜(前期):数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・C(Cはベクトルのみ)が出題範囲で,数学Ⅲは含まれません。
- 大阪大学歯学部・一般選抜(前期日程):個別テストの数学に数学Ⅲが含まれます。
数学Ⅲを使わない場合でも,数学Ⅱ・B・Cまで不要になるわけではありません。特に数学Cの扱いは,「数学Ⅲを履修しないから数学Cも学ばなくてよい」と考えず,必要な分野まで確認します。
また,同じ大学でも入試方式によって範囲が異なることがあります。私立か国公立かという区別を入口にしながら,最終的には受験を考えている大学・方式の条件を確認する必要があります。
理科は1科目?2科目?何を選べる?
数学Ⅲの要否と並んで,履修選択に関わるのが理科です。理科1科目で受験できる方式を考えるのか,2科目必要な方式も受けるのかによって,学校での科目選択や学習量が変わります。
大学名だけでなく,入試方式まで確認する
- 大阪歯科大学・一般選抜(前期):物理・化学・生物から1科目を選択します。
- 大阪歯科大学・一般選抜(全学部日程):理科1科目型と理科2科目型があります。
- 大阪大学歯学部・一般選抜(前期日程):共通テスト,個別テストともに,物理・化学・生物から2科目を選択します。
このように,同じ大阪歯科大学でも,理科1科目で考える場合と2科目で考える場合があります。「私立歯学部だから理科は1科目」と一括りにはできません。
ここでいう物理・化学・生物は,基礎科目だけを勉強すればよいという意味ではありません。例えば大学独自の試験で「化学基礎・化学」と指定されていれば,学校で化学基礎を履修するだけでは範囲を満たしません。
選べる科目と,学校で学べる科目を照らし合わせる
歯学部志望だから生物を選ぶ,数学が苦手だから物理を避ける,と先に決めるより,受験で選択できる科目と学校の授業を確認したいところです。そのうえで,本人の得意不得意や他学部の併願も含めて考えます。
また,国公立歯学部を検討する場合は,数学・英語・理科だけでなく,共通テストで必要な国語・地理歴史・公民・情報などの条件も確認します。推薦・総合型選抜を考える場合は,試験科目に加えて出願・履修条件も確認します。
数学Ⅲが不要なら,文系を選んでもよい?
私立歯学部を中心に考える場合,文系を選択して受験を目指すことも選択肢になります。ただし,文系を選んで支障がないかは,学校でどこまで履修できるかによって変わります。
数学では,数学Ⅱ・B・Cの必要な範囲を学べるか。理科では,基礎科目だけでなく,受験に使う物理・化学・生物まで学べるかを確認します。
文系・理系には,それぞれ次のようなメリットと注意点があります。学校のカリキュラムによって異なりますが,選択を考える際の目安にしてください。
文系を選ぶ場合
メリット
- 学習負担の大きい数学Ⅲを履修せずに済む場合があり,その分,受験に必要な数学・英語・理科へ時間を使いやすくなります。
デメリット・注意点
- 受験に必要な理科の範囲を学校で教わらない場合があり,独学や塾・家庭教師などで補う必要があります。
- 国公立歯学部や他の理系学部へ志望を変更する際に,不足する科目が増える場合もあります。
理系を選ぶ場合
メリット
- 受験に使う理科を学校の授業で学び,学校の先生に質問しながら進めやすくなります。
- 数学Ⅲや理科2科目を必要とする国公立歯学部,他の理系学部も選択肢に残しやすくなります。
デメリット・注意点
- 受験に数学Ⅲが不要でも,学校では数学Ⅲの授業・課題・定期テストに取り組む必要が生じます。
- 理科1科目で受験する場合も,学校では2科目の学習が必要になることがあり,受験に使う科目へ時間を集中しにくくなります。
文系を選んで数学Ⅲの負担を減らせても,学校で習わない理科を別に学ぶ負担は生じます。一方,理系なら学校で理科を学べる可能性があるものの,受験に使わない数学Ⅲや理科にも時間を使うことになります。
どちらがよいかは,志望先だけでなく,学校で習う範囲・進度と,学校外で補える学習によって変わります。選択する前に,コース変更の時期・条件や,学校の評定・推薦への影響も含めて確認しておくとよいでしょう。
私立と国公立,まだ志望先が決まっていない場合
まだ志望大学が決まっていない段階で,数学Ⅲや理科2科目を学ばないと決めると,その後に選べる受験先が限られる場合があります。国公立歯学部や他の理系学部も選択肢にあるなら,その可能性も踏まえて履修を考える必要があります。
一方で,選択肢を残すために何でも増やせばよいわけでもありません。本人の希望,現在の理解度,学校のカリキュラムを見ながら,必要な科目に使える時間を考えることも大切です。
特に,今,数学や理科が苦手であることだけで,進路を決めてしまわないでほしいと思います。以前の内容が抜けているのか,勉強の仕方が合っていないのかによって,必要な対応は変わります。
「理系科目が苦手」という印象だけでなく,実際の答案や学習状況を確認し,どこに困っているかを整理する。そのうえで,本人が希望する進路と履修選択を考えていきたいと思います。
中学生・高1・高2の段階で確認したいこと
中学生:現在の学習を進めながら,進路を考える
中学生の段階で,大学や文理を急いで決める必要はありません。歯学部も選択肢に考えながら,今習っている数学・英語・理科の理解を進めていきます。
高校のコースや中高一貫校の選択科目を考える時期になったら,その後に履修できる内容を確認します。現在の苦手だけを理由に,早い段階で歯学部という選択肢を閉じる必要はありません。
キタノジュクでは,歯学部ではありませんが,中1の段階で数学につまずき,苦戦していた医学部志望の生徒を中1の冬から指導したことがあります。その生徒は徐々に力をつけていき,最終的に関西医科大学医学部医学科に現役合格しました。
中学生の段階で早めに対策することで,選択肢を広げることができます。
高1:文理選択後の数学・理科の授業を確認する
文理選択では,数学Ⅲを学ぶかどうかに加え,数学B・Cの範囲,理科の科目と進度も確認します。私立歯学部を中心に考える場合でも,学校の授業だけで受験範囲を学べるとは限りません。
志望大学が未定でも,候補となる大学・方式と学校の履修を照らし合わせれば,選択前に確認すべきことは整理できます。
高2〜高3になる時期:学校で習わない範囲を整理する
受験に必要な範囲と,これまで学んだ内容・今後学校で習う内容を照合します。不足がある場合は,どの時期に,どの教材や指導を使って補うかを考えます。
学校の進度を待つだけでよいのか,先に取り組む内容があるのかも,現在の理解度に応じて判断します。受験直前に初めて気づくより,早い時期に整理しておく方が,学習の進め方を選びやすくなります。
受験科目や文理選択に迷っている方へ
「歯学部を考えているけれど,文理選択で迷っている」「理科を何科目学ぶべきか分からない」「文系を選んだ場合,学校で習わない内容をどう補えばよいか」。そのような段階でも,ご相談いただけます。
キタノジュクでは,本人の希望,学校のカリキュラム,現在の成績や学習状況を確認しながら,必要な学習を整理します。受験校の過去問や入試条件も,講師が学習方針を考えるための資料として確認します。中学生や高1・高2の段階で,すでに過去問を解いている必要はありません。
大阪・十三の教室での個別指導と,家庭教師による指導を行っています。志望大学がまだ決まっていない場合も,現在の状況をお知らせください。
受験科目を確認するための公式案内
受験年度・入試方式ごとの条件や変更予告は,各大学の公式案内をご確認ください。