これまで多くの中学生・高校生を指導してきて,成績が伸びやすい生徒のご家庭には,一つの共通点があるように感じています。
それは,保護者の方が,子どもの成績に関心を持ちながらも,日々のテストの成績に対して過度に口出ししすぎないという点です。
もちろん,これは一つの傾向であって,すべてのご家庭に当てはまる話ではありません。 また,「保護者は子どもの成績に関心を持たない方がよい」という話でもありません。
むしろ,子どもの勉強に関心を持ち,必要な環境を整えることはとても大切です。 ただ,成績が悪かったときに強く責めすぎると,子どもが勉強そのものに向き合いにくくなることがあります。
成績が悪いときに責めすぎないご家庭の方が,伸びやすいと感じる
成績が大きく伸びた生徒を振り返ると,保護者の方が,成績がイマイチだったときにも,生徒を強く叱ったり責めたりしていないことが多いように感じます。
もちろん,保護者の方が成績に無関心だったわけではありません。 むしろ,必要なタイミングで相談してくださったり,塾を探してくださったり,勉強できる環境を整えてくださったりしています。
ただ,テストの点数や模試の結果が悪かったときに, 「なんでこんな点数なの」 「ちゃんと勉強しているの」 「このままで大丈夫なの」 と強く責めるのではなく,少し距離を置いて見守っているご家庭が多い印象があります。
そのような環境では,生徒は悪い結果が出たときにも,必要以上に防衛的になりにくいです。 結果をごまかしたり,隠したり,怒られないための言い訳を考えたりするよりも, 「では,次にどうするか」に意識を向けやすくなります。
私自身,親に模試の結果を見せたことはありませんでした
私自身の話をすると,中高生の頃,親に模試の結果を見せたことがありません。 学校のテストについても,結果を見せるように言われたことはありませんでした。
もちろん,点数が悪かったときに叱られたこともありません。 親が私の成績にまったく関心がなかったわけではないと思いますが,小テストは間違いなく一度も見せたことがありませんし, 定期テストについても成績表は見せても,答案を見せたことはありません。
だから,私の家庭が絶対に正しかったと言いたいわけではありません。 ご家庭によって,子どもの性格も,学力状況も,必要な関わり方も違います。
ただ,少なくとも私にとっては,成績を責められない環境は,勉強に向き合いやすい環境でした。 悪い結果が出ても,親に怒られることを心配する必要がなかったので,自分の問題として受け止めやすかったのだと思います。
私も親から模試の結果を見せるように言われたことはありません
成績を責められると,子どもは勉強よりも「怒られないこと」を考えやすくなる
一方で,成績がなかなか伸びにくい生徒を見ていると,ご家庭の中で成績の話がかなり大きな意味を持っていることがあります。
テストの点数や模試の結果が出るたびに,本人が強いプレッシャーを感じている。 成績が悪いと,「また怒られる」「またがっかりされる」と感じてしまう。 そのような状態になっていることがあります。
この状態になると,生徒は勉強そのものに向き合う前に,まず怒られないことを考えやすくなります。
例えば,悪い結果を隠す。 勉強していなかった理由を探す。 できなかった問題を見直す前に,自分を守るための言い訳を考える。 そうなってしまうことがあります。
もちろん,子どもが勉強していなければ,保護者として注意したくなるのは自然なことです。 何も言わずに放っておけばよい,という話ではありません。
ただ,成績が悪いときに強く責められ続けると,生徒は 「勉強を頑張ろう」よりも,「また責められないようにしよう」 という方向に意識が向かいやすくなります。
自主性や自己肯定感が下がっているように見える生徒もいる
私がこれまで見てきた範囲では,成績が悪いときに強く叱られ続けてきた生徒ほど,自分から勉強を進めることに苦手意識を持っていることがあります。
また,「どうせ自分はできない」「また怒られる」「頑張っても意味がない」といった気持ちが先に立ってしまい,勉強の内容そのものに集中しにくくなっているように感じることもあります。
もちろん,これもすべての生徒に当てはまるわけではありません。 厳しく言われた方が頑張れる生徒もいますし,ある程度の管理が必要な生徒もいます。
ただ,保護者の方が「子どものために」と思って強く言っている言葉が,結果として子どもを追い詰めてしまうことはあります。
特に,真面目な生徒や,もともと自信を失っている生徒の場合,成績への強い指摘が,勉強への前向きな気持ちにつながるとは限りません。
大切なのは,無関心になることではありません
ここで勘違いしてほしくないのは,子どもの成績に関心を持つこと自体を否定しているわけではない,という点です。
子どもの勉強に関心を持つことは大切です。 必要な教材を用意することも,塾を探すことも,学習環境を整えることも,保護者だからこそできる大切なサポートです。
実際,キタノジュクに通い始めるきっかけも,大半は保護者の方からのご相談です。 生徒本人が自分で塾を探して問い合わせてくることは,それほど多くありません。
つまり,保護者の方が子どもの勉強に関心を持ち,必要な環境を用意することはとても大切です。
ただ,環境を用意することと,日々の点数に強く口を出し続けることは,同じではありません。
保護者ができるのは,責めることよりも,勉強に向かえる環境を整えること
子どもの成績が悪かったとき,保護者として不安になるのは当然です。 特に,医学部や難関大学を目指している場合,模試の判定や学校の順位が気になるのは自然なことです。
ただ,その不安をそのまま子どもにぶつけても,成績が上がるとは限りません。
むしろ,子どもが勉強に向き合いやすくなるためには, 「なぜ悪かったのか」 「どこを直せばよいのか」 「次に何をすればよいのか」 を冷静に考えられる環境が必要です。
そのためには,保護者の方がすべてを管理しようとするよりも,必要な部分は塾や講師に任せる方がうまくいくことがあります。
親子で成績の話をすると,どうしても感情が入ります。 保護者の方は心配だから強く言ってしまう。 子どもは責められているように感じて反発してしまう。 その結果,勉強の話をしているはずなのに,普段の生活態度など,親子関係の問題になってしまうこともあります。
そういうときこそ,第三者である講師が間に入る意味があります。
保護者の方には,安心して任せていただける関係を作りたい
保護者の方にとって,子どもの成績が心配になるのは当然です。 その心配をなくすことはできません。
ただ,その不安をすべて子どもに向けてしまうと,子どもが勉強に向かいにくくなることがあります。
だからこそ,保護者の方には,必要なことは塾に相談していただきたいと思っています。
成績が悪かったとき。 勉強量が足りないように感じるとき。 受験に向けて不安になったとき。 その不安を,そのまま生徒にぶつける前に,まずはご相談いただければと思います。
保護者の方が子どもの勉強に関心を持つことは大切です。 ただ,日々の成績に対して強く口を出し続けるのではなく, 必要な環境を整え,必要な部分は任せる。
その距離感が,結果として子どもが自分から勉強に向き合う力につながることがあります。
まとめ
成績が伸びやすい生徒の保護者は,子どもの成績に無関心なわけではありません。
むしろ,子どもの将来を考え,必要な環境を整え,必要なタイミングで相談してくださる方が多いです。
ただ,成績が悪かったときに,子どもを強く責めすぎない。 日々の点数に一喜一憂しすぎず,子どもが勉強に向き合える距離感を保っている。
そのような関わり方が,生徒の自主性や前向きな気持ちを守り,結果として成績の伸びにつながっているように感じます。
子どもの成績が心配なときほど,保護者の方が一人で抱え込む必要はありません。 気になることがあれば,生徒に強く言う前に,まずはご相談ください。
キタノジュクでは,医学部・京大・阪大・神大などの難関大学を目指す生徒だけでなく,学校の授業についていけなくなった生徒の立て直しにも対応しています。
成績のこと,勉強量のこと,受験に向けた不安などがありましたら,お気軽にご相談ください。
関連ページ
本人はのんびりしているけれど不安な方へ
保護者の方と本人の温度差がある場合の考え方について。
真面目な生徒ほど,早めに塾に通ったほうがいい理由
真面目に勉強している生徒ほど,早めの軌道修正が大切です。
各科目,いつから塾に行くべき?
数学・英語・理科・国語など,科目ごとの「塾を始めるタイミング」についてまとめています。
誰に教わるか
塾選びで見落とされがちな,講師との相性や指導スタイルについて。