指導を受けるなら,やっぱり専門塾?

私は外でラーメンを食べるなら,ラーメン屋(ラーメン専門店みたいなところ)に行きます。 基本的に中華料理店やレストランなどのメニューにラーメンがあっても注文しません。 「どうせ食べるならラーメンがメインの店の方がおいしいだろう」という考えだからです。 まあ,ご存知のとおり,まずいラーメン屋もいっぱいあるんですけどね・・・

ラーメンを食べるならラーメン屋を選ぶという,専門店のたとえ

保護者の方や生徒から話を聞いている中で「数学専門塾」「英語専門塾」「化学専門塾」など,「専門塾」の話を聞くことがあります。「数学の指導をお願いします。英語は英語専門塾で指導を受けています。」「英語専門塾で指導を受けているのですが,成績が上がりません。指導をお願いできませんか?」といった感じです。

私は主に数学・英語・物理・化学・生物の指導をしつつ,その他の科目も対応しています。 今まで数学の指導を依頼されることが多かった(7割くらい?)ですが,数学専門の指導者ではありません。

数学専門の講師なら教え方も上手とは限らないことを,学校の数学の先生を例に考える会話

さて,私のラーメンに対する感覚と同じで,「どうせ数学を教わるなら数学専門塾のほうが成績が伸びるだろう」と思いますか?英語は英語専門塾に通い,数学は数学専門塾に通い,国語は国語専門塾に通うのがいいのでしょうか? 私自身は,「専門塾だから」という理由だけで,成績が伸びやすいとは判断できないと考えています。

そもそも,なぜ「専門塾」と言われると好印象を抱くのでしょうか? それは「1科目に絞っている分,より深い知識や指導力を持ち,学力を伸ばしてくれそう」と考えているためでしょう。 ただ,特定の科目を教えていることと,その生徒に合った説明や課題を用意できることは,分けて考える必要があります。 専門塾という名称だけで判断せず,担当講師の経験,説明の分かりやすさ,課題の出し方,他科目とのバランスを確認することが大切です。

専門塾を選ぶときに確認したいこと

  1. 専門外の科目で困ったとき,どのような相談や対応が可能か。
  2. 実際に担当する講師に,どのような指導経験があるか。
  3. 「専門」という名称だけでなく,実際の指導内容や対応科目が希望に合っているか。
  4. 授業時間や宿題の量だけでなく,理解度に合った説明・課題の調整をしてもらえるか。
  5. 他の科目や学校の課題とのバランスも考えてもらえるか。

1. について,指導できる科目や相談に応じられる範囲は,塾や講師によって異なります。 実際,私自身も受験レベルの日本史や世界史まで指導できるわけではありません。 英語の指導のみを希望するのであれば,英語だけを指導する塾でも問題はありません。 一方で,数学や理科でも困る可能性があるなら,そのときにどのような対応が可能かを,入塾前に確認しておくとよいでしょう。

化学専門塾が,数学も教えてほしいという生徒の依頼を断る想定例

2. について,「その科目だけを教えていること」と「その科目の指導経験が豊富なこと」は,同じではありません。 塾全体の実績だけでなく,実際に担当する講師が,どのような学年・学力・目標の生徒を指導してきたかを確認してみてください。 体験授業では,分からない部分を質問し,説明の分かりやすさや,自分に合った課題を考えてもらえるかを見ることも大切です。

大学生講師が,英語だけを指導するため英語専門塾だと説明する会話

3. については,私のラーメン屋に対する考え方にも通じます。 「専門」という言葉から期待する内容と,実際のサービスが合っているかを確認することが大切です。 私も「枕専門店の枕っていいのかな?一回買ってみようかな?」と思うことがあり,「専門」という言葉にはつい期待してしまいます。

以前,英語専門塾の案内を見て調べたところ,国語の指導についても紹介されていたことがありました。 複数科目に対応してもらえることが役立つ場合もあります。 名称から指導範囲を決めつけず,「何を得意とする塾なのか」「ほかの科目にはどのように対応するのか」を確認し,自分の希望に合うかを考えるとよいでしょう。

化学専門塾が,生徒の苦手な数学も教えることにする想定例

4. について,保護者の方や生徒から, 「1回2時間の授業を週4回する英語専門塾」「1回3時間(基本的に延長授業もある)の授業を週2回する化学専門塾」といった例を聞いたことがあります。 授業時間が多いこと自体で,指導の良し悪しが決まるわけではありません。 ただ,なぜその時間が必要なのか,自分の理解度や目標に合った内容なのか,ほかの勉強に使う時間を確保できるかは確認したいところです。

ちなみに私は1科目あたり週1回2時間を基本としています(もちろん,どんな生徒でもそれで十分ということではありません)。 2021年度に京大農学部に合格した生徒の指導は数学,化学それぞれ週1回2時間の指導でした。北海道大学水産学部に合格した生徒の数学指導も週1回2時間でした。私は今まで指導した生徒の9割以上を1科目あたり週1回2時間で対応しており,全生徒の成績を上げてきました。必要な授業時間は生徒の理解度や目標によって異なりますが,時間の長さだけでなく,その時間で何を学ぶのかを大切にしています。

英語専門塾が毎日3時間の英語学習を求め,生徒が他の科目との両立に困る想定例

5. については4. とも関わる部分です。例えば国立大学の受験では,複数の教科・科目への対策が必要になります。 化学だけに毎日何時間も使うのではなく,他の科目とのバランスも考えて勉強を進める必要があります。 専門塾を利用する場合も,その科目の授業・宿題が,ほかの受験科目や学校の課題と両立できるかを相談してみてください。 一つの科目を伸ばすことと,受験全体として必要な学習を進めることの両方を考えて,塾を選んでいただきたいと思います。

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