「合格から逆算してカリキュラムを組みます」
塾や予備校の説明で,よく見かける言葉です。
一見すると,とても頼もしく聞こえます。 志望校合格というゴールを決めて,そこから今やるべきことを考える。 たしかに,それ自体は間違っていません。
しかし私は,この「合格から逆算」という言葉が,あまり好きではありません。
「合格から逆算してカリキュラムを組みます」
塾や予備校の説明で,よく見かける言葉です。
一見すると,とても頼もしく聞こえます。 志望校合格というゴールを決めて,そこから今やるべきことを考える。 たしかに,それ自体は間違っていません。
しかし私は,この「合格から逆算」という言葉が,あまり好きではありません。
そもそも,「合格から逆算する」とは,何をしているのでしょうか。
本当に逆算したというなら, 1か月後にはここまでできるようになり, 2か月後にはこの単元が仕上がり, 8月の模試では偏差値がこれくらいになり, 秋には過去問でこの程度取れるようになる, というところまで出せるのでしょうか。
そこまで言うなら,たしかに逆算です。
しかし,もしその進捗を達成できなかったなら, その時点で逆算は失敗だったということになります。
「このカリキュラムで進めば合格できます」と言ったのに, 予定通りに伸びなかった。 それなら,その見立てはどこかで間違っていたはずです。
もちろん,受験に絶対はありません。
本人の体調,部活,学校行事,家庭の事情,模試との相性,本番の問題との相性など, 成績に影響する要素はいくらでもあります。
だからこそ私は,簡単に「合格から逆算」という言葉を使うべきではないと思っています。
「逆算はしました。計算に間違いはありませんでした。 でも合格はできませんでした」
これで済むのでしょうか。
本当に逆算できていたなら,途中でズレが見えるはずです。 ズレが見えたなら,修正しないといけないはずです。
それでもうまくいかなかったなら, 最初の見立て,途中の判断,修正の仕方のどこかに問題があった可能性があります。
それをぼかしたまま,「合格から逆算」という言葉だけを使うのは, 少し無責任に感じます。
もちろん, この時期にこれくらいできていないと厳しい, この単元が残っているなら夏までに優先して仕上げたほうがいい, 過去問に入る前にこの基礎は固めておかないといけない, という判断は必要です。
キタノジュクでも,そういった判断は当然行います。
ただ,それをわざわざ「合格から逆算」と呼ぶ必要があるのかは疑問です。
志望校のレベル,入試科目,配点,現在の学力,残り時間を見て, 何を優先するかを考える。 これは受験指導をするなら当然のことです。
当然のことを,少し立派そうな言葉に置き換えているだけではないか。 私はそう感じることがあります。
そもそも,受験勉強では,全単元が早く一通り終わるに越したことはありません。
数学でも,物理でも,化学でも,英語でも, 基礎内容を最後まで一通り終えていなければ, 入試問題に対応するのは難しくなります。
もちろん,ただ早く終わればよいわけではありません。 理解が浅いまま進んでも意味はありません。 問題集を解いただけで,実際には何も身についていないこともあります。
それでも,入試までに使える状態にするには, 早めに全体像をつかみ,弱点を見つけ, 修正する時間を確保する必要があります。
大事なのは,きれいな計画表を作ることではありません。
今の実力を見て,必要なことを進める。 進めながら,ズレを見つける。 ズレが見つかれば,修正する。
この繰り返しです。
キタノジュクでは,「合格から逆算」という言葉は基本的に使いません。
理由は単純です。
その言葉を使うと, まるで合格までの道筋を正確に計算できるかのように聞こえるからです。
しかし実際の受験指導は,そんなに単純ではありません。
同じ学校に通っていても,生徒によって苦手な単元は違います。 同じ偏差値でも,答案の中身は違います。 同じ問題を間違えていても, 原因が計算ミスなのか,理解不足なのか,方針が立たないのかで, 必要な指導は変わります。
だから,最初に完璧な計画を作って, その通りに進めれば合格できる,というものではありません。
大切なのは,計画そのものよりも, 途中で何度も見直すことです。
キタノジュクで行っているのは,派手な言葉で飾った説明ではありません。
まず,今どこでつまずいているのかを確認します。 必要なら,基礎まで戻って積み直します。 ある程度できるようになれば,応用問題への対応力を高めます。 そのうえで,志望校の過去問や出題傾向に合わせて, 答案の作り方や時間配分を修正していきます。
最初から最後まで,予定通りに進む生徒ばかりではありません。
思ったより伸びる生徒もいます。 逆に,想定以上に基礎が抜けていて, 予定を組み直さないといけない生徒もいます。
だからこそ,必要なのは「最初に作った計画」ではなく, 今の状態を見て,修正し続けることだと考えています。
合格できる確率を少しでも上げるために, 今の答案を見て,今必要なことを判断する。
キタノジュクでは,そのような現実的な指導を大切にしています。
現在の成績や答案を見れば, どこから立て直すべきか,何を優先すべきかはある程度見えてきます。
ただし,最初から合格までの道筋を正確に言い切ることはできません。 指導を進める中で,理解の深さ,答案の書き方,復習の精度を確認しながら, 必要な修正を行っていく必要があります。
「今の状態から,何を変えればよいのか」を知りたい方は, 一度ご相談ください。